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2001年度火薬学会春季大会レビュー

総評
年会委員長 中国化薬(株) 常務取締役 早川 経敏

 火薬学会第60回通常総会並びに2001年度春季研究発表会が5月17、18日の両日にわたって中央大学駿河台記念館で行われ、約230名の参加者が集まり、盛大に執り行われました。今年は21世紀最初の学会であり、今後の火薬学会の方向づけを考える記念すべき大会でした。

 特に、今年はオーガナイズド・セッションとして、21世紀の始まりにふさわしく「火薬学会の未来と周辺領域」というテーマで火薬及び周辺領域の方向づけに関する4件の講演が各界の専門技術者によって行われました。又、特別講演としましては東北大学流体科学研究所の高山和喜先生から「爆発・衝撃波現象研究の現状と将来」と題しました講演と、独立行政法人 航空宇宙技術研究所の戸田 勧理事長からは「航空宇宙分野における二・三の話題」というテーマで講演をいただきました。この二つの講演ともに、新しい世紀の幕開けにふさわしく、夢があり今後の方向を示された講演でした。更に研究発表では発破;爆発・衝撃・加工(I〜IV);火工品;エネルギー物質・爆薬;煙火;分析;燃焼・分解・反応(I,II);プロペラント;感度(I, II)の14のセッションに亘り、合計69件の発表が行われました。 また火薬学会受賞講演としまして、技術賞を受けられました緒方雄二氏(産業技術総合研究所)及び奨励賞を受けられました石口昌道氏(横浜国立大学工学部)からの記念講演がありました。いずれのセッションとも質疑や討議が活発におこなわれ、活気溢れる学会で新しい世紀の将来に期待が感じられる大会でした。

 又、今年の学会で従来と異なっていたことは学会の講演要旨集がB5版からA4版になったことと、発表方式に液晶プロジェクターも使用出来るように準備していたことでした。しかし発表時のプロジェクターの不測のトラブルに備えてOHPも用意するようにお願いしたこともあった為か、プロジェクターを利用された方は非常に少ない結果に終わりました。更に今回初めての試みとして、関連する分析機器や、各種計測機器の展示会を実施しましたが、展示の申し込み会社が当初の計画より多く急遽、会場を2つに増加した次第でした。学会参加者は休憩時間や、昼食後に三々五々展示品を興味深く見たり、カタログをもらったりされ展示の成果は充分に感じられました。又、学会閉会時には小川副会長から総会でも承認されました、来年度の学会が環太平洋国際会議を兼ねて4日間行われる旨の話と、会員への協力依頼がありました。 学会終了後は、引き続き場所を「聚楽」に移した懇親会で、会員約150名が参加し会員相互の情報交換が賑やかに行われました。

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