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2017年度火薬学会賞

奨励賞  前田 慎市 君

「気体爆轟により飛翔体を加速する軽ガス銃の実験的研究と
スクラムジェット研究への利用」

 前田慎市君は,水素と酸素の混合あるいは水素,酸素とヘリウムの混合気体を使用するデトネーションチューブの爆轟波で飛翔体を加速する軽ガス銃について実験的研究を行い,さらにこの軽ガス銃をスクラムジェット研究に利用している。これらの研究成果を研究論文としてScience and Technology of Energetic Materials 誌に発表している。
 軽ガス銃は,デトネーションチューブを直接発射管につなげるタイプと圧縮管を介してつなげるタイプの2 種類について実験を行っており,いずれも従来の圧縮ガスを用いる方法に比べて速い飛翔体速度を得ることができている。その速度は火薬類を用いる方法には及ばないが,火薬類の利用に何らかの制限を受けざるを得ない環境では有用な技術である。
 デトネーションチューブへの混合気体封入圧力や圧縮管の破裂板強度と飛翔体初速の関係により飛翔体速度の制御が可能なことも論じられており,応用性が高い。
 さらに前田慎市君は,この軽ガス銃を用いて,速度の異なる飛翔体を燃焼混合ガス中へ発射し,燃焼混合ガスの反応状態を観察している。得られた知見はスクラムジェットの燃焼現象解明に有益なものであり,今後の発展が期待される。
 よって,火薬学会奨励賞に値するものである。

推薦論文

  1. Shinichi Maeda, Shoichiro Kanno, Isshu Yoshiki, and Tetsuro Obara, Experimental study on acceleration of projectile by a gaseous detonation-driven gas gun using a light gas, Sci. Tech. Energetic Materials, Vol.77, No.4, pp79─85(2016)
  2. Shinichi Maeda, Shoichiro Kanno, Isshu Yoshiki, and Tetsuro Obara, Time-resolved schlieren observations of shockinduced combustion around a high-speed spherical projectile, Sci. Tech. Energetic Materials, Vol.78, No.1, pp19 ─ 26 (2017)

略歴

2005年3月 筑波大学第三学群工学システム学類 卒業
2007年3月 筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻 博士前期課程修了
2007年4月 石川島播磨重工業株式会社(現:株式会社IHI) 入社
2009年3月 同上 退職
2011年4月 日本学術振興会 特別研究員DC2(筑波大学)
2012年3月 筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻 博士後期課程修了
2012年4月 日本学術振興会 特別研究員PD(筑波大学)
2013年4月 埼玉大学研究機構 助教
2018年4月 埼玉大学大学院理工学研究科 准教授
  現在に至る
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