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2020年度火薬学会賞

学術賞  中山 良男 君

 中山良男君は1985年,東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程を終了,東京大学より工学博士の学位が授与された。同年,通商産業省工業技術院化学技術研究所(現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所)環境保安部に研究官として入所した。入所後は,主任研究官(研究所が独立行政法人化されてからは主任研究員),研究チーム長,研究グループ長,研究主幹,総括主幹を歴任し,一貫して火薬類による爆風や水中爆発などの爆発威力を中心とした研究を行った。特に,テーブルサイズの爆風シミュレータの開発や野外での爆発実験から実規模爆発威力を評価する手法の開発は,我が国の火薬行政における保安距離等の設定に貢献している。
 火薬学会では,個人として,また研究グループの一員として研究論文を多数発表しており,それらの成果は,火薬学会論文賞として結実している。また,2014年から2019年までの間,爆発安全部会長をつとめ,火薬学会における爆発安全研究の活性化に尽力するとともに,優れた若手研究者の育成にも貢献している。
 中山良男君のこれらの業績は,我が国の火薬行政および火薬学会の発展に顕著に寄与しており,また,火薬の安全技術の向上に大きく貢献している。火薬学会学術賞に値する。

略歴

1979年3月 東京農工大学工学部機械工学科卒業
1981年3月 東京大学大学院工学系研究科航空学専攻修士課程修了
1985年3月 東京大学大学院工学系研究科航空学専攻博士課程満期退学(同年,工学博士)
1985年4月 通商産業省工業技術院化学技術研究所(現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所)保安環境化学部,研究官
1992年10月 通商産業省工業技術院化学技術研究所,主任研究官
1993年1月 通商産業省工業技術院物質工学工業技術研究所(現在の国立研究開発法人産業技術総合研究所)極限反応部,主任研究官
2001年4月 独立行政法人産業技術総合研究所物質プロセス研究部門,主任研究員
2002年4月 独立行政法人産業技術総合研究所爆発安全研究センター,主任研究員
2003年4月 独立行政法人産業技術総合研究所爆発安全研究センター,研究チーム長
2007年4月 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門,研究グループ長
2008年4月 独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門,研究グループ長
2015年4月 国立研究開発法人産業技術総合研究所安全科学研究部門,研究主幹
2016年11月 国立研究開発法人産業技術総合研究所企画本部,総括主幹
2017年3月 国立研究開発法人産業技術総合研究所,定年退職
2017年4月 国立研究開発法人産業技術総合研究所,テクニカルスタッフ
  現在に至る

学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。

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