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2004年度火薬学会春季大会レビュー

総評

火薬学会西部支部長
九州工業大学大学院工学研究科 中村 英嗣

火薬学会2004年度秋季研究発表講演会は、2004年11月18日,19日(金)の両日に,松山市総合コミュニティーセンター研修室において開催された。本年度の研究発表の総数は46件,特別講演が1件で,昨年の沖縄大会と比較すると講演数は減少したが、例年とほぼ同数の講演数であった。参加者は手塚永年会員を含めて97名であった。会場は道後温泉に近いため朝夕の温泉入湯などリラックスした雰囲気の中にも,活発な議論が繰り広げられた。

研究発表の内容は,衝撃波を含む爆薬・爆ごう(発表件数18件)に関するものが多く,次いで推進薬・発射薬(8件),火工品・煙火(6件),環境安全(6件),爆発加工(3件),燃焼・分解(2件),発破(2件),測定法(1件),であった。特別講演は「方法論としての化学工学―癌治療最前線からー」と題する愛媛大学工学部加藤先生の講演であった。異なる分野の研究者がプロジェクトを組んで技術開発を行なう場合に、化学工学の方法論が有効であることが豊富な実例を挙げて説明された。

例年とは異なって、講演が一部2会場で行われたために他会場が聴講できなかったことなどでの運営上の不手際は改善の余地がある。講演では、産総研を中心とする爆発威力・影響などに関する精力的な研究と共に、消防研究所からの環境安全に関する広範な研究の取り組みが報告され、今後のこの分野でのますますの系統的研究の発展が期待される。

懇親会は会場内のカフェレストラン「北斗」で行われ、出席者は80名であった。小川会長の挨拶,乾杯の後に宴が始まり四国松山の郷土料理に舌鼓をうった。恒例の福引きも永石支部幹事の司会で行われ,充分楽しみながら盛況のうちに閉会となった。本大会が四国の地で開催されたのは最初の機会であった。これが可能であったのはひとえに愛媛大学農学部勝山先生のお陰であり,開催計画の初期段階から最後まで多大な尽力を頂いたことに厚く御礼申し上げます。

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