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第63回通常総会並びに
2004年度火薬学会春季大会レビュー


総 評

年会委員長 日本油脂(株)化薬事業本部
服 部 勝 英


 2004年度火薬学会春季研究発表講演会並びに第63回通常総会が5月13日,14日の両日にわたって、学術総合センター一ツ橋記念講堂で約230名の参加のもと、盛大に開催されました。

 研究発表は、「分析・安全環境」「爆発・衝撃・加工」「燃焼・分解・反応」「発破」「エネルギー物質・爆薬」「煙火」「プロペラント」の各分野で70件の発表があり、その他4題の火薬学会賞受賞講演、2題の特別講演が行われました。今回の学会では多数の大学から気体爆轟に関する発表が行われ、一つのセッションを構成することができました。今後共、火薬学会の活性化、レベルアップを図っていくためにも、幅広い分野での大学・研究機関からの参加が期待されます。

 特別講演(1)は、産業技術総合研究所爆発安全研究センター長の藤原修三博士から「砂漠の緑化について」という演題での講演を頂きました。砂漠化対策への火薬類の利用は、地球環境の改善という大きなテーマであり、今年度より火薬工業会として取り組んでいるテーマでもあります。また、特別講演(2)は、宇宙航空研究開発機構宇宙輸送工学研究系の高野雅弘先生から「日本の宇宙開発における固体ロケット技術」という演題での講演を頂きました。日本の宇宙開発のワークホースとしての固体ロケットM-Vにつき、開発の歴史、日本の宇宙開発計画における貢献の大きさ、問題点、さらには将来の環境対応型の固体ロケットへの期待について講演して頂きました。最後に、若手技術者諸君は自信を持って開発に取り組んでほしいという激励の言葉も頂戴いたしました。

 通常総会では平成16年度の事業計画並びに収支予算案をはじめとした議案が審議され、全会一致で承認され、また、名誉会員として長田英世、山下忠孝の両氏が決定致しました。報告事項としては火薬学会会長として横浜国立大学小川輝繁先生、副会長として東京大学越光男先生の選任、また、平成15年度火薬学会賞受賞者選考結果が了承されました。

 懇親会は場所を学士会館に移し、多数の先輩諸氏ご出席のもと盛会に催されました。

 最後になりますが、田村、小川新旧会長をはじめ学会の方々の絶大なるご指導と、本大会にご参加頂いた会員皆様方のご協力により、本大会が盛会裡に無事終了できましたことを感謝申し上げ、総評と致します。

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