1999年度火薬学会春期大会レビュー |
総評 年会委員長,日本火薬工業会会長 中村輝夫 |
火薬学会第58回通常総会並びに99年度春季研究発表講演会が5月13,14日の両日にわたって,中央大学駿河台記念館で参加者約300名を迎えて盛大にとり行われ,無事終了いたしました。 本年は火薬学会が1939年に「火薬協会」として発足以来60周年を迎えた記念大会でしたので,例年と異なり,Organized Sessions, Poster Sessions 及び特別講演が計画され実施されました。 Organized Sessions は各専門部会を中心に,プロペラント,煙火,感度,分析・探知技術,火工品,破砕インダストリー・発破,爆発現象とその利用技術,及び環境・安全・国際化対応のセッションが企画され,それぞれの分野における最近の話題が提供されました。特に,煙火セッションでは打揚玉のダミーサンプル等が展示され,煙火玉の製造方法が紹介されました。31件の報告がありました。 Poster Sessionsは火薬学会としては初めての試みであり,会場の広さ等には若干の問題もありましたが,発表者と参加者の活発な意見交流がはかられ,今後の研究発表会運営の一つの方法が示されたと思います。38件の報告がありました。 特別講演は「21世紀に向けての展望」と題して山本一元氏(旭化成工業株式会社 取締役社長)と「21世紀の安全を考える」と題して吉村秀實氏(NHK解説主幹)の御両名から興味ある貴重なご講演を頂きました。 又,火薬学会に新設された将来構想委員会で検討されている内容を中心に,「21世紀の火薬学」をパネルディスカッション形式で参加者ともども考えました。 平成10年度の火薬学会賞受賞講演として,奨励賞の青地忠浩氏(横浜国立大学),技術賞の古賀道士氏,及び論文賞の青木一郎氏の記念講演を頂きました。 60年の伝統ある学会ですが,近年は特に産官学の若手研究者の発表も目立ち,年齢・役職・地位等にこだわらない活発な質疑応答がなされ,現在学会の抱えている危機感を払拭できるエネルギーを感じました。 最後に,今回は60周年の記念大会ということで,各社から幹事を選出し,綿密な計画の元に運営に当たりましたが,何かと不行き届きの点もあったかと思います。関係各位の絶大なるご支援,ご協力を賜り,滞り無く閉会できたことを幹事を代表して深く感謝いたします。 |
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