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分析専門部会

部会長 中村 順

 分析専門部会は、火薬類の分析に関する体系化を目的として平成4年に設立され、機器分析の導入、分析方法の統一化、分析ガイドラインの作成、分析データの収集等を行ってきている。
 その他火薬類の分析に関する問題について調査研究、情報交換、講演会、見学会など実施している。分析対象としては、火薬類のみに限らず、その成分原料や他の高エネルギー物質などに範囲の拡大を図っている。

 当面の活動としては、分析ガイドラインの作成を目指している。これは、新たな高エネルギー化合物の開発、環境問題、探知技術などこれからますます分析の重要性が高まってくるものと考えられることから、火薬類及び関連化合物の分析の系統分析法や機器分析法、安全上の注意等を分かり易く示した分析指針の構築を行うことにしたものである。さらにこの指針に基づいた火薬類化合物及び高エネルギー化合物の分析データベースも構築することを考えている。こうした指針により、新たに分析を試みようとする場合でも火薬類の分析がより容易になることや、類似の高エネルギー化合物の分析への応用等が期待される。

 設立当初から行った主な活動は、以下のとおりである。

○ワーキンググループをつくり、当面の分析の問題について検討を行った。

  1. アーベル耐熱試験の検討
  2. 窒素量測定の近代化
  3. 高性能爆薬のGC、LCによる分析法の体系化
  4. 黒色火薬、煙火の成分分析の体系化
  5. 含水爆薬を中心とする産業爆薬の分析の体系化
  6. 爆発性物質探知のための探知剤の微量分析法の体系化
  7. 過塩素酸塩及び塩素酸塩の分析法の体系化

 これらの検討事項については、JISの改正、分析ガイドラインの作成などに引き継がれている。

○火薬類分析試験方法JIS K4809の改正委員会への協力を行った。

○機器分析、文献調査などの紹介

[見学会]

防衛技研第一研究所弾薬第4研究室
物質工学工業技術研究所
科学警察研究所
産業安全研究所化学安全研究部
ライオン(株)研究開発部 分析センター
日立製作所中央研究所

[講演会]

火薬類の機器分析
イオンクロマトグラフィーの基礎と応用
アーベル耐熱試験について
ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー
熱分析について
JISの国際整合化の実施について
火薬類の分析と探知に関する国際シンポジウムについて
銅フタロシアニンを用いた化学センサー応用の安定度試験
海外の含水爆薬の製品分析
火薬類未知試料の分析
キャピラリー電気泳動法による無機イオンの分析
爆薬の探知

 講演会、見学会については、専門部会員には資料を配付すると共に、 Explosionに解説、見学記などで公表している。

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