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爆発物探知専門部会

部会長 中村 順
2021年6月8日

 2020東京オリンビック・パラリンピックについてもテロによる脅威があり、対策が講じられている。 テロの未然防止のためには,隠された爆発物を発見する爆発物探知技術が重要である。 最先端の科学技術が応用される爆発物探知技術の進歩は著しいものがある。 しかしながら,我が国では,火薬類に関する知識, 技術については,広く普及しているとはいえず,爆発物探知に携わる人々にとって支障を来している。

 そのため,火薬類の扱い,性質,分析などに関する火薬学会としての知識,経験と実績を生かして, この分野の啓発・普及をめざし,爆発物探知に携わる人たちの参画も得て「爆発物探知専門部会」を設立した。

 当専門部会では2005年から毎年「爆発性物質によるテロ対策・探知セミナ」を開催してきている。 2010年には,「爆発物探知ハンドブック」を出版した。 その後もテロについて次々と新たな脅威が出てきて、 インターネットによるテロの実行や爆薬の合成方法が紹介され、 例えばボストンマラソン爆破事件ではその情報を基に大学生、高校生の兄弟により爆発物が作られた。 国内でも2018年から2019年にかけて、 高校生たちが爆薬TATPやETNなどや覚醒剤を合成したり、拳銃の製造、放射性物質の売買を行うなど 深刻な状況にある。 一方、爆発物探知についても、社会実装が進み、空港ばかりでなく、原子力発電所、鉄道、イベント会場などで、 爆発物探知が検討・実施されてきている。

 そこで,爆発物探知専門部会では、爆発物探知のみでなく、 CBRNEテロ対策に携わる人たちのために必要な事項について解説することとして、 「爆発物探知・CBRNEテロ対策ハンドブック」を2016年に出版した。 出版から5年経過したが、この間の探知機器類・システムの進歩と運用の高度化は目を見張るものがあり、 学会としても日本のこの分野を支えるべく、同書のアップデートをしたいと考えている。 学会のみならず、広くこの分野の人を集めて、安心、安全のための貢献をしたいと考えている。

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