2000年度火薬学会賞-技術賞 |
緒方 雄二 君 「発破における高速度現象のビジュアル化とコンピューター解析」 発破による岩石の破砕あるいは破砕片の飛翔現象,さらに火薬類の爆発現象を視覚によって動的に観察する事は難しく,これらの映像を得ることが熱望されていた。 緒方雄二君の研究は,これらの高速現象を高速ビデオあるいは高速カメラを用いることによって視覚化し,さらにコンピューターによる解析を行うことによって,現象を理解することにある。 ベンチ発破における飛石の飛翔状況を撮影し,そのシミュレーションを行ったことは斬新なことであり,明り発破における飛石事故防止のためにも有益である。 また,地震等の自然災害により破断された水道管やガス管などの鋼管を爆発圧着の考え方で修復しようとするのも新しいアイデアである。大型重機の搬入が困難な場所での火薬類の有効な利用法である。ここでもその超高速現象を撮影し,我々の目に見える形で報告されている。次いで共同研究としてそのコンピューター解析により現象の理論化を図ることができている。 以上の研究成果は高速現象の解明に大きく寄与するものであり,火薬類の消費に関わる事故防止,あるいは火薬類の新規用途開発にも,新しい切り口での示唆を与えてくれた。 技術賞に値する研究成果である。 推薦論文 「ベンチ発破における飛石の飛翔性に関する研究」 「災害時に破壊された鋼管の緊急修復技術に関する研究 I」 参考論文 「災害時に破壊された鋼管の緊急修復技術に関する研究 II」 略歴 1985年 3月 九州大学工学部資源開発工学科卒業 |
技術賞は,火薬関係技術の進歩に貢献し,成果を会誌又は論文誌に発表した社員に授与しています。
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