2001年度火薬学会賞-論文賞 |
「エマルション爆薬の爆轟特性に関する研究」 1970年代から本格的な研究開発が始められたエマルション爆薬は,現在では産業爆薬の主役として,わが国を始めとして世界各国で広く使用されている。産業爆薬は安価でかつ安全性に優れ,破壊効果においても大きなエネルギーを有することが要求される。エマルション爆薬に代表される産業爆薬はいずれも硝酸アンモニウムを主体としたものであり,その特性値が爆薬の薬径,密閉強度等の条件に大きく依存する,いわゆる非理想爆薬である。エマルション爆薬は,含有される気泡体の大きさや量を選択することにより,爆薬としての性能を大きくコントロールできることが知られている。 本研究では,平均粒径が0.05mmから2.42mmの広い範囲で異なる気泡体を用い,気泡体の大きさ,量が爆轟速度,限界薬径,爆轟圧力等に及ぼす効果を系統的に調べることにより,気泡体の大きさ,量とエマルション爆薬の反応性との関係を求めた。本研究の成果は,今後のエマルション爆薬の改良に極めて有益な知見を与えるだけでなく,非理想爆薬中を伝播する爆轟波の伝播機構の解明に大きく寄与するものであり,論文賞に値するものである。 推薦論文 「エマルション爆薬の爆轟特性(第1報)」 −比較的大きな気泡を含有する爆薬の爆轟速度と反応性− ―火薬学会誌 Vol.61,No.5,201(2000) 「エマルション爆薬の爆轟特性(第2報)」 −爆轟波面形状の光学的観察− ―火薬学会誌 Vol.62,No.1,23(2001) 「エマルション爆薬の爆轟特性(第3報)」 −比較的大きな気泡を含有するエマルション爆薬の限界薬径− ―火薬学会誌 Vol.62,No.1,32(2001) 「エマルション爆薬の爆轟特性(第4報)」 −気泡の大きさ及び量と爆轟圧力− ―火薬学会誌 Vol.62,No.2,64(2001) 略歴
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論文賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な論文を論文誌に発表した社員に授与しています。
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