藤村郁子君は,固体ロケット推進薬のキャラクタリゼーションならびに分解特性に関する研究に関し実験的解析を基に,
系統的な検討を行い,その成果を完成度の高いすぐれた論文として取りまとめている。
一番目の論文は,新規高エネルギーヒドラゾン系バインダーのキャラクタリゼーションに関する研究についてであるが,
新規高エネルギーバインダーを自ら設計,合成し,それを用いた固体推進薬の特性評価をしたものであり,
オリジナリティーの高さが際立っており,また,単著である点も評価に値する。
二番目の論文は,AP-HTPB系コンポジット推進薬の熱分解に及ぼす酸化鉄の影響を,
粒径をナノメートルサイズからサブミクロンサイズまで系統的に変化させて評価したもので,緻密な研究であると言える。
藤村君の一連の研究は,当該分野の応用や新規推進薬の開発に大きく貢献するものとして高く評価されるもので,
奨励賞に値する。
平成11年4月 | 防衛庁 入庁 |
現在 | 防衛省技術研究本部 航空装備研究所 所属 |
平成19年4月 | 横浜国立大学大学院 環境情報学府 博士課程後期 入学 |
現在に至る |
奨励賞は,火薬関係科学又は技術に著しく貢献し, 成果を会誌又は論文誌に発表した若手社員に授与しています。