市野宏嘉君は,地下式火薬庫の安全性評価に関する基礎的研究に従事し,
地下式火薬庫から発生する爆風圧および地盤振動についてモデル実験から定量的な評価を加えた。
実験結果から地下式火薬庫の爆発は,地上爆発と比較して,
爆風圧を1/2程度に低減することをモデル実験から示した。
また,同時に地下式火薬庫の爆発で発生する地盤振動について計測し,その評価手法を示した。
都市近郊の火薬庫では,周辺環境の変化から保管量の確保が困難となっている現状から,
地上爆発と比較して爆風圧を低減することが可能な地下式火薬庫は,保安距離を低減できる可能性を示した。
保安距離を低減するには,地下式火薬庫が有望な火薬庫であり,今後の設置基準等の作成に貴重なデータとなる。
以上の理由から市野宏嘉君の研究論文は,
地下式火薬庫の爆発影響について爆風圧および地盤振動の影響をモデル実験から定量的に解析した。
これらの研究成果は,地下式火薬庫の安全性評価と実用化に向けた貴重な計測結果であり,
今後の発展が期待できることから,奨励賞に推薦する。
平成14年3月 | 陸上自衛官任命 |
平成14年10月 | 陸上自衛隊第10施設大隊勤務 |
平成17年4月 | 防衛大学校理工学研究科前期課程入校 |
平成19年4月 | 防衛大学校理工学研究科後期課程入校 |
平成22年3月 | 陸上自衛隊開発実験団勤務 |
現在に至る |
奨励賞は,火薬関係科学又は技術に著しく貢献し, 成果を会誌又は論文誌に発表した若手社員に授与しています。