蓮江和夫君は,早稲田大学理工学研究科修士課程を修了後,防衛大学校化学教室(現 応用化学科)に奉職し,理工学研究科火薬及び爆薬系列(現 火薬学分野)で修士課程学生の研究指導,1990年からは本課学生の卒業研究指導も行なった。
この間,起爆薬の合成及び特性評価,感度試験法の開発,レーザー及びマイクロ波による起爆手法の開発,地下式火薬庫の安全性評価,自動車エアバッグ用新規ガス発生剤の探索及び燃焼特性評価等,広範囲に,かつ,常に第一線の研究を展開し,1984年には「振子摩擦試験機による摩擦衝撃感度の研究」により火薬学会論文賞,1990年に「Combustion aspects of sodium azide and its mixtures with potassium perchlorate and burning catalysts」で21回International annual conference of ICT においてポスター部門賞を受賞している。さらに,研究成果を火薬学会のみならず International Pyrotechnics Society(国際火工品学会)等の海外の学会で多数の研究論文を発表し,火薬学に関する研究の国際的な発展に貢献している。
同君はまた,長年火薬学会の編集委員として火薬学会誌の水準の向上に貢献したほか,火薬学会の旧感度専門部会(現 爆発安全専門部会)委員,火薬学会評議員を務め,火薬学会の活動の活性化に多大な貢献をするとともに,学生,研究者の育成にも尽力され,多くの修士及び博士学位の指導を務めた。
以上,蓮江和夫君の業績,活動ならびに火薬学会への貢献は顕著なものであり,学術賞に値するものである。
1971年3月 | 早稲田大学理工学部応用化学科卒業 |
1973年3月 | 早稲田大学大学院理工研究科応用化学専攻修士課程修了 |
1973年4月 | 防衛大学校化学教室助手 |
1991年6月 | 工学博士(日本大学) |
1992年10月 | 防衛大学校化学教室講師 |
1994年10月 | 同上 助教授 |
1999年10月 | 同上 教授 |
2000年4月 | 防衛大学校応用科学群応用化学科 教授 |
2013年3月 | 同上 定年退官 |
学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。