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2019年度火薬学会賞

学術賞  新井 充 君

 新井充君は1979年,東京大学大学院工学系研究科反応化学専門課程修士課程を修了,1982年に同博士課程を修了し,その優れた成果「反応性化学物質の不安定性評価に関する研究」に対し,東京大学より博士(工学)の学位が授与された。主査は吉田忠雄東京大学工学部反応化学科教授(当時)であった。
 新井充君は長い研究キャリアの中で,一貫して高エネルギー物質の安全利用技術の研究に傾注した。大学院時代から不安定物質の危険性評価に取り組み,その後,新規ガス発生剤,環境安全,煙火の研究および開発で火薬学会の指導的な役割を果たしてきた。
 新井充君は周知の通り,火薬学会の要職を務めた後,2012年より2期4年にわたり学会長を務めた。加えて2016〜2018年安全工学会会長,2012年より国際花火シンポジウム学会アジア代表理事,2016年よりリスクセンス研究会理事長を務めている。また,2013 年より経済産業省の産業構造審議会委員を始め,保安・消費生活用品安全分科会火薬小委員会の火工品保安,煙火保安,特則検討各ワーキンググループの主査を務めている。
 教育面での功績も著しく,多くの後輩達を育成し,大学のみならず研究機関・民間会社の研究者たちの多くは一度は新井充君の指導を受けていると言っても過言ではない。
 新井充君のこれら研究,社会貢献,教育各面での功績は,火薬学会および火薬業界の発展に顕著に貢献している。火薬学会学術賞に値する。

略歴

1982年3月 東京大学大学院 工学系研究科 反応化学専門課程 博士課程終了
1982年3月 工学博士(東京大学)
1982年4月 新日本製鐵株式会社 入社
1991年3月 同社退社
1991年4月 東京大学講師 工学部 反応化学科
1993年2月 東京大学助教授 工学部 反応化学科
2005年9月 東京大学教授 環境安全研究センター
2009年4月〜2011年3月,2013年4月〜2015年3月 東京大学 環境安全研究センターセンター長
2010年4月〜2013年3月 東京大学 環境安全本部 環境管理部長 
  現在に至る

学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。

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