西雅俊君は,「Research on explosive forming of magnesium alloy plate using numerical simulation and experimental studies (II)」としてScience and Technology of Energetic Materials誌に発表している。
マグネシウム合金は軽量で高強度であることから,様々な用途が期待されている材料である。しかしながら,常温での塑性加工が難しく腐食性と燃焼性があるため,加工コストが増加するなどの問題点があった。本論文では,常温のマグネシウム合金を爆発成形法により加工する手法について研究を行った結果を報告している。
従来の爆発成形法では主に凹形状の打ち型(ダイ)が使用されていたが,本論文では凸形ダイを使用し,マグネシウム合金シートのV字型曲げに適用した。ダイの傾斜が急な場合,合金円板に皺やクラックが発生するため,良好な成形結果を得ることが困難だった。本研究では,爆薬の配置を変更することにより,円板にかかる圧力波を制御する方法を提案し,実験を行い,その可能性を実証した。さらに,数値解析を利用して円板に作用する圧力分布の時間履歴と円板の変形過程を詳細に検討した。
西雅俊君の研究は,爆発成形加工法について実験と数値解析の両面で詳細に検討を行い,新しい成型方法を提案するものであり,今後の爆発成形技術の発展が期待される。この研究成果は高く評価され,当学会に大きく貢献するものであり,火薬学会奨励賞に値する。
2008年4月 〜 2011年3月 | 熊本大学大学院 自然科学研究科 産業創造工学専攻‐博士(工学) |
2010年4月 〜 2012年3月 | 日本学術振興会特別研究員 (DC2,PD) |
2012年4月 〜 2013年3月 | グローバルCOEプログラム『衝撃エネルギー工学グローバル先導拠点』 リサーチアソシエイト |
2013年4月 〜 2015年3月 | 熊本高等専門学校 機械知能システム工学科 助教 |
2015年4月 〜 | 熊本高等専門学校 機械知能システム工学科 講師 (2016年5月 〜 2016年12月 University of Maribor Visiting Researcher ) |
奨励賞は,火薬関係科学又は技術に著しく貢献し, 成果を会誌又は論文誌に発表した若手社員に授与しています。