森下直樹君は,月着陸船史上最小の6U-CubeSat「OMOTENASHI」に搭載する超小型固体ロケットモーター用レーザー点火システムを開発している。その成果を以下の論文としてScience and Technology of Energetic Materials誌に発表している。
「Development of a laser ignition system for a solid rocket motor on the OMOTENASHI spacecraft」では,ロケットモーター後部を模擬したショートモーターで大気中点火試験を行い,必要なレーザーパワー密度を決定している。また,真空状態でのモーター内圧と点火遅延を測定し,月面着陸時の最適な点火タイミングを決定するために必要なデータを取得している。開発は成功し,システム全体の重量が100gの究極の小型化レーザー点火システムは探査機に搭載されている。
森下直樹君の研究成果は高く評価され,当学会に大きく貢献するものであり,火薬学会奨励賞に値するものである。
2016年3月 | 大阪大学基礎工学研究科物質創成専攻修士課程 修了 |
2016年4月 | 宇宙航空研究開発機構 入構 |
2016年10月 | 研究開発部門第二研究ユニット/OMOTENASHIプロジェクト 配属 |
2022年3月 | 大阪大学基礎工学研究科物質創成専攻博士課程 修了 博士(理学)取得 |
奨励賞は,火薬関係科学又は技術に著しく貢献し, 成果を会誌又は論文誌に発表した若手社員に授与しています。