1999年度火薬学会賞-奨励賞 2 |
神津 直君 「ニトロベンゼンの衝撃圧縮」 高性能爆薬に関しては,衝撃圧縮特性や起爆誘導距離の圧力依存性などの詳細な研究が行われており,数値計算モデルなども比較的確立されているが,爆発感度が低い,もしくは爆轟するとは考えられていないような高エネルギー物質に関しては,衝撃圧縮下での挙動に関する研究はきわめて数少ない。 神津直君の研究は,芳香族ニトロ化合物のもっとも基本的な構造を有するニトロベンゼンを対象として,一次元平面衝撃加圧システムを用いてHugoniot圧縮曲線を測定し,15GPa付近を境に異なる状態となっていること,高圧側では爆轟している可能性があることなどを見出したものである。 以上の研究成果は,ニトロベンゼンの衝撃圧縮挙動の解明に大きく貢献するとともに,爆発感度の低い高エネルギー物質の衝撃起爆において,このような基礎的な研究が非常に重要であることを示したものとして評価できるものである。今後の研究の発展が期待されることから,奨励賞に値するものである。 推薦論文 「ニトロベンゼンの衝撃圧縮」 略歴 神津 直 1995年3月 東京大学工学部化学システム工学科卒業 |
奨励賞は,火薬関係科学又は技術に著しく貢献し, 成果を会誌又は論文誌に発表した若手社員に授与しています。
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