2024年度火薬学会賞
学術賞 三宅 淳巳 君
三宅淳巳君は,横浜国立大学工学部安全工学科を卒業,同大学院工学研究科安全工学専攻を修了後,横浜国立大学工学部に助手として採用され,横浜国立大学にて博士(工学)を取得した。2006年に教授に昇任し,横浜国立大学工学部,同大学院工学研究科,同工学研究院,同環境情報研究院,先端科学高等研究院において教育,研究に従事するとともに学内運営にも貢献し,同大学の理事・副学長を務め,2024年に定年退職し,名誉教授を授与された。
三宅淳巳君は,安全工学,エネルギー学,リスク分析学等に関する研究を実施し,反応性化学物質やエネルギー物質の発火爆発特性とそれらの安全かつ有効な利用技術に関する研究を行い,火薬学会誌を含め幅広くの研究成果を国内外に発信し,その成果により,火薬学会論文賞等,数多くの学会賞を受賞している。近年は水素利用の安全に関する研究を実施し,技術開発と法規制の検討により水素保安戦略の取りまとめを主導するなど,社会実装に導くための重要な貢献をした。
火薬学会では,数多くの学生や社会人研究者・技術者の研究指導等,人材育成を熱心に行うとともに,評議員,理事,企画委員長,編集委員長,副会長を歴任後,2016年~2020に会長を務め,その経験と国際的ネットワークを活かして火薬学会の改革と発展に尽力し,特に,学会誌の国際化と国際的評価の向上に貢献した。
また,永年にわたる火薬類の保安に関する業績が認められ,令和6年度火薬類保安経済産業大臣表彰が授与された。
三宅淳巳君のこれらの功績は,火薬学会及び火薬工業界の発展に顕著に寄与し,火薬類の保安に大きく貢献している。これらは火薬学会学術賞に値する。
略歴
1982年3月 | 横浜国立大学工学部安全工学科卒業 |
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1984年3月 | 同 大学院工学研究科安全工学専攻修了 |
1984年4月 | 横浜国立大学工学部 助手 |
1996年1月 | 同上 講師 |
2000年4月 | 同上 助教授 |
2006年4月 | 同 大学院環境情報研究院 教授 |
2011年4月 | 同 排水浄化センター長(併任) |
2014年4月 | 同 安心・安全の科学研究教育センター長(併任) |
2016年5月 | 同 先端科学高等研究院副高等研究院長 |
2016年7月 | 同 先端科学高等研究院 教授(配置換え) |
2019年4月 | 同 学長補佐(併任) |
2021年4月 | 同 理事・副学長 |
2023年4月 | 同 大学院環境情報研究院 教授,総合学術高等研究院 教授(併任) |
2024年3月 | 同 定年退職 |
2024年4月 | 同 総合学術高等研究院 上席特別教授,同 名誉教授 |
2024年10月 | 同 学長特任補佐 |
学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。