一般社団法人火薬学会

Japan Explosives Society

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学会案内

会長就任の挨拶

一般社団法人火薬学会会長 松尾 亜紀子

火薬学会社員のみなさま、2024年5月23日より会長職を拝命いたしました慶應義塾大学の松尾です。これから2年、慣れない仕事ではございますが学会運営に精一杯貢献したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

私は慶應義塾大学理工学部機械工学科にて教授職を仰せつかっております。専門は圧縮性流体力学、燃焼、コンピュータシミュレーション、推進工学、爆発安全などが挙げられます。研究テーマとして最近では「デトネーションエンジン」に関わることを多く行っております。火薬学会でご活躍の多くの社員の方は、化学系の研究者や技術者ではないかと思いますが、私のバックグラウンドは航空宇宙工学です。よって、燃焼に関する数値解析をするための化学反応程度の知識しか持ち合わせておりません。私のようなものが会長職に就くことは甚だ僭越であると感じており、学会社員のみなさまのご支援を心より必要としております。是非、支えていただければと思います。

私と本学会との関係は、「爆発安全に関する研究」や「砲内弾道に関する研究」が挙げられるかと思います。爆発安全の観点としては、爆発後の流体現象に着目し、爆風伝播やその挙動と被害状況の検討をしていました。原子力関連施設の爆発事故に関する解析やロケット発射場や燃料保管施設における想定爆発事故解析など、爆発現象は放出されるエネルギー量によっては想定を超える被害を及ぼすこともあり、安全の観点から爆風被害については事前の検討が必要となり、その観点から研究を進めておりました。また、砲内弾道については、円柱内部に設置された固体燃料の燃焼現象の再現と昇圧に伴い砲内体積膨張が生じる非定常現象に関して研究をしていました。それまでは主に気相の燃料と酸化剤による燃焼現象の解析を扱っていましたが、固体燃料の燃焼現象の再現が大変興味深かったことを覚えております。

このように火薬学会との繋がりができたことから、2020年から副会長の役職を拝命すると同時に本学会が主催する国際講演会であるISEM(International Symposium on Energetic Materials and their Applications )の実行委員長に任命されました。実行委員長は副会長が兼務する役職であるとのことで、当時は大役を仰せつかったことに大変驚いたことを覚えております。本来は2020年に開催される予定であったISEMはCOVID-19の影響で2021年度に延期され、更にオンライン開催となりました。実行委員の皆様のご努力の下、規模は小さいものではありましたが無事に開催することができました。前回(ISEM2021)のリベンジ開催となりますISEM2024は、対面開催へ向けて実行委員会は始動しております。7年ぶりとなります本学会主催の講演会が無事に開催され、多くの方がご参加されることを期待しております。なお、先日までISEM2024の実行委員長として講演会開催に尽力しておりましたが、今回の会長就任に伴い、副会長となられました熊本大学の外本先生が実行委員長となられました。ISEM2024半年前に突然の交代となりご負担をお掛けすることになりましたが、無事に引き継いでいただけたものと思います。火薬学会社員の皆様のご助力をここでもお願いしたいと思います。

最初に申し上げましたが、皆様のご支援無くして私が本学会会長職を全うすることはできません。様々な形でのご支援やご助力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。